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僕は僕のために僕からお金を借りている。

ある個人の借金体験、時間とお金の使い方。

借金とは、時間とお金のひとつの使い方(あるいは、扱い方)である。 お金があるだけじゃ、贅沢はできない。

贅沢には条件がある。人にはいろんな「贅沢」の価値観があると思うけど、そうだな、ここでは金銭を伴う「消費」に焦点を当ててお話したい。

あるとき、こんな番組があった。100万円をあげるから、自由に使っていい。ただし、使用期限は一日のみ。多分番組の撮影だから、24時間も使えなくて、せいぜい朝から夜まで12時間といったところだろう。以前から欲しかったものがある人は、決めるのが早いけど、結局100万円使い切れない人が多かったように記憶している。

贅沢をするには、条件がある。

1.お金が用意できること
2.消費に必要な時間が確保できること

この2つが条件。片方が欠けると「贅沢」は不可能になる。もうひとつ「消費を行う意志があること」も条件といえば条件だが、これは言わずもがなだし、テーマからもややずれてしまうので、外しておきたい。

1と2がセットで考えられていないと、うまい贅沢、ここでいう「うまいお金の使い方」が出来なくなってしまう。

たとえば、旅行。時間があるから、思い切ってヨーロッパ行きの航空券を取った。でもお金はそんなにない。安宿は悪くない。けど現地に行って、観光するにもお金がいる。毎日「もう今日はあと××ユーロしか使えないな……」「あれ食べたいけど、ちょっと高いから辞めよう」なんて言っていては、せっかくの旅行も楽しみ尽くせない(貧乏を逆手にとって制限を楽しむ、という手はあるが、ここではあくまで「贅沢」について語りたい)。これは、時間があるから贅沢できる!と思ったけど、お金が予想以上に足りなかったパターン。ことの最中に後悔することになる。

逆のパターンもある。お金はある、それはもう、潤沢にある。1ヶ月仕事をまるまる休んだって、なんの問題もない。けれど実際には、仕事が休めない。毎日忙しい。たまの休みに心身を休めるので精一杯。旅行にいく時間なんて見つけられない。これは、お金は用意できているけど、消費する時間がないパターン。のちのちになってから「もっと遊べば、休めばよかった」と後悔することになる、らしい。らしい、というのは、筆者本人は経験がないものの、世の中にはこういった類の後悔をしている人生の先輩の姿が溢れているからだ。

贅沢に必要な「消費」と「時間」は、いつだってセットなのである。冒頭で「お金があるだけじゃ、贅沢はできない」と書いたけど、つまりそういうこと。

時間は時空を超えられないが、お金は時空を超える。

時間(time)が時空(space-time)を超えられないって、そりゃそうでしょ、と言われそうだが、ここで言いたいのは後者。そう、お金は時空を超えられる。「借金」という方法によって。

noteで話題になった、深津さんの「借金の本質とはタイムマシンである」という記事がある。深津さんは記事の中で借金のことを「手元にないお金を、未来の自分から受け取り、今使えるようにするツール」としている。

物理的な観点でいえば、もちろんお金は移動しているだけであり、時空を超えていることはない。しかし、そもそもお金というものは、物理的な観点で見るものではないのだ。あなたが3月1日に口座に入れた1万円を、3月15日に引出しても、それは、あのとき入れた1万円札ではないはずだ。でもそれは「同じ」1万円であり、変わらず「あなたの」お金なのである。

どこからお金を借りても、結局返すのは「自分」であること忘れてはいけない。 現在(過去)の自分が借り手で、未来の自分は貸し手、と捉えてみてほしい。基本的には利息が発生するが、僕はこれを、時空を超える手数料くらいに考えている。

感謝される借金をしよう

僕は初めてクレジットカードを作った20才のときから、借金をしてきた。リボ払い、分割払い、キャッシングといったクレカ借金は、みんなも経験がありそうだ。

最初のうちは、酷かった。お金が引き出せる魔法のカードみたいに思っていたのか自分でも覚えていないが、限度額いっぱいまで使って返せないってことが起こった。幸い、初めて作ったクレジットカードの限度額なんて大したものではなく、この時は親に相談して解決したが、冷や汗の出るような経験だった。

現在(過去)の自分は借り手。未来の自分は貸し手。それなら、自分自身に「感謝される」借金をしたほうがいい。いや、そもそも借金なんてしないほうがいい、という意見もありそうだが、僕は借金推奨派だから言わせてもらう。自分自身に感謝される借金は、したほうがいい。そもそも、借金は「時間とお金のひとつの使い方(扱い方)」でしかない。「借金だから良くない」というのは、少し違う。その「借金だから」の中には、おそらく利息があるのは損という考え、返済へのリスク、言葉そのものへのネガティブなイメージがあるはずだ。まってまって、利息があるから損、というのは早とちりじゃないか? 僕は利息があっても得、だと感じたときは、借金をする。もちろん、返せる範囲でね。

自分が喜ぶ借金って、どういうものだろう?
 僕は意識的に「経験」にお金を貢いできたが、それは端から見れば単なる「消費」にすぎなかっただろう。それでも、僕はできるだけ多くのお金を使ってきた。それはなぜか。

お金は経験値を加速させてくれる便利ツール

そう、お金を支払うことで、血となり肉となる知識、体験は沢山ある。お金をかけずに(あるいは使えるお金を分散して)、時間をかけて経験を積むこともできるが、「若いうちに」「周囲のひとが得ていないだけの」経験値を積むことが、人生を豊かにすると考えた僕は、最大限のお金を投資することを常に考えていた。たとえば、チョコレート。単に好きだったから、というのもあるけど、たくさん買った。イベントにも大小構わず、出来るだけ足を運んだ。バレンタイン期間にしか販売しないチョコレートを買うためにクレジットカードをいっぱい遣って、次のバレンタインまでに返済する、ということもした。

これはあくまで個人の結果でしかないが、今は自分のことを「チョコおたくです」と紹介してもそこまで恥ずかしくないし、チョコレートやカカオにかんする取材、執筆、イベントのお仕事をもらうことができている。知識だけでなく経験を伴ったインプットがあったからこそだと考えている。

他にも、僕はかなり金遣いの荒いほうだったので(荒いなりに、いつも「未来の自分が喜ぶかどうか」は考えていたよ)、いろんなことをした。

たとえば、実験。ひとつきにいくらまでなら使えるのか? というのを、わざわざカードで借金してまでやった。結論、当時の1月分の給料の1.5倍使えたか、使えなかったくらいだった。途中で怖くなってきて、もうお金は使えないな、これが今の僕の限度だ。と思った。なんでそんなことをしたかというと、将来、なにか大きなチャンスがやってきたとき。今より稼いでいたとしても、自分の出せる金額は、案外少ないかもしれない、と思ったからだ。そういうお金を使う上での精神感覚とか、センス(そのときは最終的にあまり必要でないものまで買ったので、今は自分の給料以上の予算でお金を遣うセンスがないと判断した)があるかを、若いうちに一度体験してみたかった。ま、アホらしいと笑ってもらってもいいんだけど、これはこれで僕なりに貴重な体験になった。

あとは、チョコレート以外にも、たくさん外食をした。あるときから「高級ジャンルを攻める」と決めて、月に一度くらいのペースで鮨屋に行くようになった。20代前半からカウンターの鮨を食べる人間なんて一握りのはずで、経験しておくことが、自分に付加価値や他人との会話のきっかけを与えると考えた。もちろんベースに食が好きって気持ちはある。興味のないことにお金を注ぐのは辛い。

鮨のお陰だけとは言いきれないが、食にお金を投じていると、いろんな人と繋がることが出来た。店を選んであげて感謝されることもあったし、ありがたいことに奢っていただく機会も増えた。わたしの友人知人はやたらと高収入な人間が多いのだが、これは食という趣味の影響が大きいと思う。

今する体験と、10年後にする体験は、同じでも違うもの

今のあなたが行く旅行と、10年後のあなたが行く旅行は、行き先が同じでも、全く意味が変わってくる。結果も変わってくる。もし、「今の」あなたがそれをすることに意味があると思うのなら、お金が貯まるのを待たずに、借金して行くのも手だ(何度も言うけど、返せる範囲でね)。この、今と後では違う、というのが、僕の借金をするひとつの基準になっている。今やっても1年後にやっても同じことを、わざわざお金を借りて行う必要なんてないからだ。

ただひとつ、気をつけて欲しいことがある(返済以外でね)。
 それは、借金をした自分に慣れてしまうこと。返済できていれば問題がない、と思うかもしれないが、これは少し怖い状況だ。未来の自分に下駄を履かせてもらえないと自分らしくいられないと感じたり、お金が足りないとそわそわするようなら、それは「借金」というツールに頼りすぎな証拠だろう。

ちょっと怖い忠告をさせてもらったのは僕自身、少なからずそういう時期があったから。今は田舎の地元に返っていて、借金もほとんどすることがなくなっているけどね。スマホやカメラのローンくらいかな。あ、そういうモノへの投資にまつわる借金の使い道は、先述の深津さんの記事がわかりやすい。

この記事では、僕自身の体験と、単なる消費に終わらない消費、経験となり自分の人生の可能性を広げる消費への、前向きなお金の使い方のひとつとして、借金を紹介した。それから、贅沢には、時間が必要だってことも。この記事のテーマは「借金」だけど、つきつめればそれは、時間とお金の使い方、いや、向き合い方の話になる。

時間は有限で、お金は不平等だ。だからこそ、可能な範囲で、自分自身に後悔のないように向き合ってほしい。この記事では消費をともなう「贅沢」について語ったけど、言うまでもなく、お金のいらない贅沢だって、この世の中にはたくさんある。綺麗な空をぼーっと眺めたり、図書館で本を借りて読んだり、愛するひとと過ごしたり、ね。そのどれにも、やっぱり、時間は必要なんだ。だから今、時間があるすべての人に贅沢をしてほしいし、未来の自分が喜ぶような投資をしてあげてほしい。勉強を頑張るのも、ボーッとできる時間があるのも、どちらも素晴らしいことだ。

まとめの段落なのに収集がつかないのは、これが読者のためのハウツー記事ではなく、未来の僕から、今の僕へのメッセージだからだね。仕事、がんばれよ。健康を大事に。運動は、したほうがいい。チョコレートが好きならずっと食べ続けたらいい。できれば発信しよう、それが新しい出会いを生んでくれる。ああ、言いたいことを思い出したよ。

時間やお金がないことを、いちばん大事なものを大事にできない言い訳にしないようにね。未来の僕との、約束だよ。

Written by Kadekawa Mizuki
Copyright LagonGlaner and Author

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