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フリーランスは労働観や人生観のグラデーション

つまり、一般論にこだわってしまう苦悩と知っておきたいスキルリスト

こんにちは、逢坂千紘(あいさかちひろ)です。

「フリーランス」というものを納得したうえで目指したいひとのために、「フリーランスという世界観の話」と「総合的なスキル」について語ってゆきたいと思います。

本文でも繰り返しますが、ここに書いてあることがまったく当てはまらないフリーランスというのもあります。正解でもなければ正答でもありません。あくまで私が見知ってきたことのサマリーだと思って読んでいただけるとうれしいです。

Table of Content

この記事を読んでなにかひとつでも整理がついて、フリーランスを目指すとか、もうすこし続けてみようとか、じぶんはこうしてみようとか、なにかしらのアクションにつながっていけばいいなと願っています。

フリーランスというグラデーションの世界観

フリーランスというのは、特定の役職や職業ではありません。

それでもみんながこのことばを用いるのは働きかたを無段階にすることができる世界観にフォーカスしたすばらしいことばだからだと思います。

つまり、朝寝坊のときでも「すみません、本日は体調が優れず午後からの出社に(略」などと関係者全員に連絡をしなくてもよいし、満員電車で他人の体臭や口臭に頭を痛めなくてよいし、出る必要のないミーティングに(やる気がないと思われないように筆記用具だけは完備で)出席して(意見すると面倒だから)たいした提案もできないような人間を演じなくてよい一方で、じぶんのやりたい仕事だけにしぼって働くこともできるし、出先でほんの数十分だけ仕事することもできるし、がんばり次第では見たこともない売上をたたきだすこともできるということです。

もちろんその裏返しはたくさんあって、この世界観に生きるひとたちが遭遇する隠しデメリットのほとんどは、各プレーヤーたちの善意などによって無料でアンロックされています。noteで「フリーランス」で検索すると、素敵な記事がたくさん出てきます。

つまり、フリーランサーになって(働きかたが無段階な世界を選んで)、困ったこととか、いやだったこととか、そういったことはすぐになんかしらの調べがつくということです。

そういった部分はもうじゅうぶんにサポートされているので、ここではすこし概観がわかるようなかたちで、私の見知った「フリーランスの世界観」について、ひとつの目安になるように残しておこうと思います。

制度/建前としてのフリーランス

まず断っておかなければならないことは、フリーランスを「制度的に supposedly」考えているひとたちがある程度いるということです。

もうすこしわかりやすく言えば、「フリーランス」という得体の知れないなにかに対して、理想的に磨かれた能力、理想的に制限された行動、理想的に調教された関係というものを想定しているひとがいるということです。

たとえば、似たようなアナロジーで説明すると、自動車免許は1年で40,000万人ほどが取り消しされています。これを理屈だけで考えてみると、ほんとうはドライバーライセンスを与えてはいけないひとにドライバーライセンスを与えていたということが言えるでしょう。

もちろんそのひとが事故を起こすかどうかは事故を起こすまでわからないので無理ですが、「なんで高速道路を逆走するひとなんかに免許を与えたの?」と思わなくもないですよね。肌感覚として。

この感覚がなぜ生じるのか? これはそもそも、自動車免許というものが「理想的に教習された人物」を大前提にしているということです。

教習所に通って、テストで合格したことで、晴れて、道路のうえで、自動車という複雑で危険な機械を、ひとりの運転手として、まわりの(理想的な)運転手とおなじように、理想的に扱うことができる、という建前を信じてもらうことができます。

もちろんまわりも(そういう制度なので)無条件で信じることになっています。つまり、だれかから自動車免許を見せられたら「このひとは道路のうえで理想的にふるまえるひとなんだ」と思ってしまうということです。

それとおなじように、フリーランスという名前を制度のよう思い込んでしまっていることがあります。じぶんでしている場合もあれば、先輩フリーランサーがそういう価値観をおしつけてくることもあります。

そういう「なにか理想的な建前」を生み出して、他人におしつけてしまうひともいる、ということを断っておかなければなりません。

フリーランスの困難はほとんど一般論による困難である

より詳しく考えてみましょう。

フリーランスの困難は、いま言ったような一般論・制度・建前(=運転免許を持っているということは、道路で理想的に振る舞えるということである)によるところが多い気がするという話でした。

たとえば、よく「フリーランスだったら営業力がなきゃいけない」とか、「コミュニケーション能力がなきゃいけない」というふうに言われます。noteを見ていても、アフィリエイト記事を見ていても、なまじ説得力のある失敗談とともに語られるので、たしかにそうだな、という気になってくることもあります。

ただ、もちろんあるに越したことはないかもしれないし、そのひとが自身の敗因を営業力やコミュニケーション能力のせいにしているだけかもしれませんが、それはフリーランスの制度と建前でしかありません。

お世辞抜きで営業力もコミュニケーション能力も(なんならコミュニケーション意欲も)ないような友人が、フリーランスの絵描きとして立派に暮らしています。とにかく手が早いし、あんまり修正の必要もないようなものを着実に納品するので、頼み先の担当者ならびに企業さんは「納品物以外のすべての粗相に目をつむる」という方針で固めているそうです。

それならば、今度は「やはりフリーランスたるもの成果物が生命線だ」という説得的な主張が浮かび上がってくるでしょう。しかしながら、それもいろいろです。ときとして真実ですが、ときとしてフェイクです。予想できない無数の理由でお仕事を頼んでくれる企業さんもいます。

要するに、「フリーランスだからこうだよ」というのは、(よくもわるくも)たぶん無いです。ただし、「フリーランスという世界観にはこういうのがあるよ」ということは言えるはずだと思います。

巷間で紹介されているフリーランスの悩みのほとんどは、「フリーランスとはこういうものだ」的な、一般論という濃醇な美酒に酔ってしまったひとの(あるときは真実をともなった)話半分の居酒屋トークだと言い切らせてください。

とはいえ定番スタイルなら総合と補完のバランス重視

風呂敷を広げて一席ぶったあとに秒で前言撤回するようなかたちになりますが、一般論に倚りかかることで安定した方向性をねらう定番スタイルもあります。

先までの話は「一般論に押しつぶされると苦しむ」という認識の話でしたが、ここからは「定番スタイルを選ぶと方向性が安定する」という戦略の話です。

わかりやすくブリーフィングするので、いいところがあれば持って帰ってください。あくまで定番スタイルの話なので、独自路線を進めるかたにはあまり益するものはないかもしれませんし、そもそもひとつも当てはまらない場合もよくあります。

定番スタイルを狙うときは、できるだけスキルセットを網羅することが大事です。とはいえ、そんなの絶対に無理なので、どこをじぶんで保有して、どこを外部に委託するのか事あるごとに決める必要もあるでしょう。以下にスキルをアイテマイズ形式で列挙するので、総合と補完のバランスを考えるときの参考にしてください。

くどいようですが、これこそ一般論なので、鵜呑みにせぬようじぶんの路線をキープしながらお読みくださればと思います。

ビジネスマナー

ざっくり社会人経験とも言いますね。仕事は「ひと」によって進むのですが、そこには明かされない二面性があります。

つまり、担当者が所属先のボスから与えられたさいごのさいごまで明かされないオーダーを抱えているなんてことは日常茶飯事です。その言えない事情をなんとなく察したうえで円滑に進めるテクニックが生きてくることもあります。

ほかにも、ひとつの「言いかた」によってプロジェクトにボトルネックが生じることもあります。

私自身も担当者さんの「言いかた」で微妙な気持ちになったこともあるし、おそらく私の「言いかた」でモニョらせたこともあると思います。とくにメールなどのテキストコミュニケーションだと冷たく感じられることもあるので、気をつけたいところですよね。

こういったことは社会人をやるといやでも身につけざるを得ないことですが、いきなりフリーランスをやると対応できなかったりします。ビジネスマナーを手っ取り早く身に付ける方法は、インプットとしては愚痴を聞くことや発注側をやってみること、アウトプットとしては「言いかた」ひとつまで細かくチェックしてくれるひとに壁打ちしてみることでしょうか。

あるいは、「礼儀2.0」のような考えにもとづいて、すすんでビジネスマナーの約束事を外していき、そういうひとなんだなと思ってもらうようにするのもありだと思います。

インフルエンサーの塩谷舞さんは『紙の請求書はもう送りません #平成に置いていきたいもの』というnoteを公開しており、こういう姿を見せていくこともひとつの在りかただなと思います。

バックオフィス

逆に、社会人経験があまり生きない部分です。

たとえば、日々の出っこみ引っこみをコツコツと記帳して、経費を計上して、項目で分類して、ときには積極的にふるさと納税に挑むなどします。これは会社員なら「年末調整」にサイン程度の記載をするだけで済んでいる作業でした。年末調整ってなんの書類なのかわからないという社会人もたくさんいるはずで、実は経理のひとがやってくれていたのでブラックボックスなんですよね。

そのほか、(膨大な)メールチェック、見積もり作成、請求書作成、振込確認、振込催促、受理書、ガイドライン管理、契約書管理などなど、非コアなタスク(重要じゃない作業=売上にならない作業)が山ほどあります。

「その仕事はお断りします」と言うために、三十行以上のメールを打ったこともあります。自慢にもなりませんが、そういうコアじゃないタスクは日常的です。

バックオフィスはじぶんのビジネスの段階によってもかなり変わってくると思うので、以下でざっくり触っておきます。

経理

ビジネスのお会計をルール通りに遅滞なく行う作業です。入るお金も出ていくお金もシンプルならそんなにむずかしいことはありません。ただ、その動きが複雑になればなるほど厄介で、ほぼほぼ専門家を必要とする領域です。あるいは、売り上げをすぐに計算したいときに経理や会計をじぶんで管理していることが強みになります(専門家に特急で締めてもらうこともできますが高くつきます)。

たとえば「黒字倒産」ということばがあって、利益は出ているのに会社が倒産することもあります。ごくごく単純に言えば、1,000円もっていて、1,000円でお菓子を仕入れて、パーティーをやりたい友だちに10,000円で売れたとします。黒字です。ただ、友だちは「パーティーの会費をもらったあとに払いたい」と言っていたので、そういう約束にしました。売り上げは一万円あるけれど、手元にあるお金がゼロの期間が生じてしまいました。この期間中に家賃とか、税金とか、絶対に払わないとアウトなやつの締め切りがきたら、「資金繰りのミス」で退場となります。あとよくあるのが「友だちが払うといっていたお金を払ってくれなかった」(売掛金の未回収)という凡ミスでアウトになるパターンです。

さいわい私はまだ支払いをすっぽかすようなひととビジネスしたことないのですが、信用調査に失敗して公共料金を払えなかったみたいなフリーランサーの愚痴はよく聞きます。

税務

経理における「ルール」でよく出会うのが税です。ちょっと長くなりますが、具体的なイメージのために具体的な話をしましょう。

道路沿いでよく見かけるようになった「コンテナ物置の貸し出し」サービス。実はあれには、「倉庫として貸している業者」と「賃貸として貸している業者」のふたつがあります。

倉庫として貸すさいは「倉庫業法」というルールがあてはまり、「認定トランクルーム業者」として物品を保管する義務があります。保険も入らねばならず、お客さんが物品を出し入れする場合は付き添いが必要になります。厳重です。

一方で、賃貸として貸す場合は、そういった厳重性はなく、じぶんの土地に駐車場みたいなのをつくってコンテナやガレージを置いて、借りたいひとに貸すだけです。

経理の話になりますが、土地のオーナーさんからすれば、駐車場(青空駐車場)だけでは経費として計上できるものがないんですね。常に満車なら利益も出るのでいいのですが、そうじゃない場合は、物置を設置するのが人気です。

500万円で物置を買って、駐車場に置いて貸し出すとします。「減価償却(げんかしょうきゃく)」といって、劣化しちゃうものを買ったときに「決められた年数で割ってすこしずつ経費にしてね」という会計ルールがあります。物置はその年数が7年なので、7年間64万円ずつ経費にすることができます。経費にすることで見かけ上の所得が下がるので、所得税を下げることができます。いわゆる「節税」というやつですね。ルール通りやっているので「脱税」ではありません。

ちなみになんでそんなに節税したいのかというと、所得が330万円だったときは「10%」の税率がかかるのに対して、331万円だったときは「20%」の税率がかかるからです。(負担を一律で減らしてくれる「控除(こうじょ)」もありますが、1万円の差で倍の税率になって大変なんですね)

ただ、コンテナの貸し出しを売りにしていた会社の2019年の決算で、法定耐用年数は「7年」じゃなくて「34年」だと税務当局に指摘されたという大誤算がありました。そうすると、年間64万円ずつ経費にできていたものが、15万円ぐらいに下がってしまいます。これでは売りとして弱いので、コンテナをお客さんから買い戻すために黒字予想から赤字予想に転落してしまいました。

話が長くなりましたが、こういうのが「ルール」です。ルールの解釈ちがいでビジネスが大赤字になることもあるので、専門家のケアは入れておくのが無難だと思います。

フリーランスの税務の代表的なところでは確定申告だと思います。所得についてこまめに記録しておき、税務署が知りたい項目をフォーマットに落とし込んで、正確に申告する必要があります。実際に私も書きかたをミスったことがありますが、いまは一周まわって気持ちいいです。ただ、非コアかつ複雑なところがあるので、はやい段階で信頼できる専門家に頼むのがコツでしょうか。

確定申告まわりだと、令和5年から「適格請求書等保存方式」が始まるので、これはケアしておかないと厄介そうです。

ほかにも個人事業税など、いままで関わらなかった税と出会います。金と法律に直結するので、ミスなくできるよう環境を整えるといいですね。ランサーズが無料相談もある税務まわりのサービスを出していて、苦手なかたはアレめっちゃいいと思いました。私自身は利用していません。

私も士業がチンプンカンプンなので逃亡したくなる気持ちめっちゃわかりますが、税とかわからないからといって脱税するのは大損というかノーチャンスなので、まずはしっかり税を払うポーズをとるべきだと思います。

法務

税務対策の煩雑さもさることながら、法務対策のむずかしさもあります。

頼み先が署名するように言ってきた契約書は、ほんとうにサインしてだいじょうぶなのか。ダメなものを納品してしまったときの損害補償はどうなるのか。報酬を支払ってくれない相手に裁判をするべきなのか。個人情報やプライバシーポリシーの取り扱いはどうなっているのか。そもそも営業秘密とは具体的になんのことか。ノウハウの盗用とはどこまでのことを言うのか。警告書や訴状が届いたらどうするのか。予防法務のために事前合意の厳密化を図ったら嫌われたりしないか。弁護士との信頼関係はどこで築くのか。

こういった法務まわりの悩み事は尽きませんし、できれば士業は専門家の力を借りて補完に割り振ってゆきたい部分です。契約書自動チェックサービスなどもありますね。

また、ビジネスに寄った話をすると、法律(条文の解釈)を知っていることでやれることの範囲も広がります。

たとえば「マリカー問題」で、任天堂が部分的に譲らなければならないところがありましたが、法律だけで考えたときにできるのかできないのかというドメインがありますよね。法的にここまではやってよくて、ここからはやってはいけない、という範囲は意外と広かったり、逆に厳しかったり、実は想像とは異なるものです。じぶんのビジネスでなにができてなにができないのか、このあたりを詰めるときに法務は避けて通れません。

あとはギャラまわりで「下請代金支払遅延等防止法」が重要になってくることもあります。私は発注も受注もやるのでかなり気をつけているつもりです。

それと、国税庁の「法令解釈通達」も要チェックです。めんどくさいですね。

IT・ツール

やれることの範囲という意味では、ITのスキルを持っておくことも重要です。ITであれば、とくに特殊なセンスは必要なく、慣れるまで耐えることができればおおむね身につきます(誤解を恐れず極端なことを言えば小学生からできるぐらいですので)。

プログラミングに関しても素晴らしいオンライン教材も多数あって、いまは学びやすい環境が整っています。細かい話をするには注釈が足りないので、ITについてはどこかで詳しく書きたいと思います。

ほかにも、相手先によって用いているツールが異なっています。IT企業だったら「Slack」、ゲーム系だったら「Discord」、あるいは「ChatWork」とか、「Skype」とかいろいろです。Wordでほしいと言われたときに、Wordを持っていなくても出せるとか知らないとわからないことはけっこうたくさんあります。とはいえ、ひとつひとつはむずかしいことではないので、ITサポート系ができるひとに聞いてみたり、そういう教材をひとつやってみたりすると段違いかなと思います。

いまは高度なソフトがたくさんあって、逆にツールにどこまで投資できるかで、じぶんのつくれるもののクオリティが変わったりします。そういう意味では、椅子と机とPCも、妥協すべきではないツールのひとつですね。

SaaS(サーズ)といって、ソフトウェアの機能を使わせてくれるサービスがさかんです。たとえば、名刺を管理したいなら「Sansan」、会議したいなら「Zoom」、デジタル捺印なら「クラウドサイン」、フリーメールなら「Gmail」、会計まわりの自動化なら「freee」、企業調査なら「SPEEDA」みたいに、ソフトウェアの機能を寄せ集めてひとりでたくさんのことを効率的にできるようにすることもできるし、おおくを自動化することもできます。

また、こういったサービスを利用すると煩雑になってくるので、SaaSの連携に特化した「HENNGE One」というプラットフォームもあります。

ツールのなかでも、クリエイター必携の「Adobe」ソフト。値段はそこそこするけれど、身に付けるとできることの幅がひろがります。じぶんでちょっとした名刺やロゴをつくったり、サイトの設計をしたり、フォントをアクティベートしたり、画像や動画を加工したりなど、語りきれないほど幅がひろがります。

私自身はデザイン方面のセンスがなかなか伸びないので、最近では外注することがおおいです。

意思決定

なにかあるごとに、いわゆる「決めの問題」に直面します。意思決定はだれのせいにもできませんし、これといった体系的な理論があるわけでもありません(「経営学」が近いですが、経営学で意思決定できるわけではないですからね)。

責任者として決めていかなければならないことの多さと、その重要性に心が折れるだけでは済まないこともあります。逆に言えば、決めてしまえばほとんどのことは驚くほどスッキリするので、小さく決めながらクイックに進めて、途中途中で修正するのもひとつの重要なテクニックです。

おすすめの本だけ紹介しておきます。

リサーチ

小さく決めながらクイックに進めつつときどき修正するには、その過程ごとにある程度のリサーチが必要です。

分野によってぜんぜんちがうのであまり具体的なスキルは伝授できませんが、リサーチや調査の手法などについて学んで、実際にリサーチと意思決定と直結させておけば、決定のクオリティが保たれるのでおすすめです。

本の紹介だけしておきます。

ステークホルダー

また、決めの問題と関連して、ステークホルダーをどれだけつくるかという問題もあります。

ステークホルダーというのは「利害関係者」と言われますが、端的に「じぶんの行動によって影響を受けざるを得ない範囲のひとたち」ぐらいのことです。一緒に仕事をする相手、お客さん(ユーザー)、従業員(その家族)、株主(出資者・金融機関)、地域社会、行政などさまざまなステークホルダーが想定できますね。

売り手よし、買い手よし、世間よし、という「三方良し」はステークホルダーにまつわる教訓ですが、ここを土台にして何方よしまで設計できるのかじぶんなりに考えてみると見える世界がひろがるかもしれません。

ものすごく単純に言えば、だれかの仕事を値切って適正料金を出さないということは、じぶんもディスカウントされていいということに等しいということです。もちろん、このクライアントには絶対に勝ってほしいからここは特別料金でやろう、という長期的なパースでプライシングすることもあります。

ステークホルダーへの責任意識

また、じぶんが事業をはじめるとき/やめるときは、ステークホルダーに対する責任を考えねばならないでしょう。

たとえば、お店の経営を考えてみます。

やってみたいからやってみて、なんとか数人のリピートゲストが来てくれるようになった。だけど、飽きちゃったとか、ちがうことがしたくなったとか、赤字だから辞めるといったことで店を畳むことになった。そのとき、その常連たちはどうなるのか、ということです。

もちろん常連だけではなく、材料の仕入先、雇ったスタッフ、地域のコミュニティ、クーポンをあげたお客さん、SNSや口コミで宣伝してくれた友人、チラシやフライヤーのデザインを頼んでいたデザイナー、土地を貸してくれていた不動産やオーナー、機材を貸してくれていたリース会社など、いろいろなひとに影響が出ます。

はじめるときもやめるときも、関わってくれるひとのことを意識する必要があるでしょう。「そんなもんはそれぞれの自己責任」を突き詰めれば話は簡単になるかもしれませんが、仕事というのはなかなか自己責任だけで分断できないところが多いなあというのが私の印象です。

ネットワーキング・ポートフォリオ

逆に、新しいステークホルダー(としてのあなた)を探しているひともいます。

とくにコンサルタント業界のひととか、新規ビジネスの構想を練っているひととか、レッドオーシャンのなかでブレークスルーを狙っているひととか、とにかく既存の利害関係者とは異なる世界で生きているひとを探しているひとがけっこういます。

そういうひとたちとの交流というのは、人脈(ネットワーキング)から生じることが多いです。というか、ひとを探しているひとはだいたい人物リストをつくっているので、その人物リストに入るような特徴とか、経歴とか、趣味とか、人柄とか、そういったものをわかりやすいかたちで用意しておくことも大事です(ポートフォリオとか個人サイトとか、大型展示会に出展とか)。

じぶんにとっては超あたりまえだったことや得意分野が、そういうひとたちにとっては至宝だったりします。まじです。

営業

そういう意味で、営業というのは「このひとたちには私みたいなスキルホルダー・ステークホルダーが必要じゃね?」というアイデアをさまざまなかたちで和やかに実現することです。

リクルートの伝統的なビル倒しまでいかなくとも、図々しく「あなたたちの新ステークホルダーこと私です、呼ばれてないのに来ましたが、良いところに来たと思いませんか?」というメッセージを、相手の受け取れるかたちで表現すれば道はひらけるものです。

ただ、個人の話をすれば、(新宿ゴールデン街のように)たまたま居酒屋で仲良くなったひとに名刺を見せたら「え、だったらこれやってよ」みたいなかたちで仕事につながったり、イベント先で意気投合したひとが試しに仕事を振ってくれたり、そもそも入り口としてトライアルが用意されていたり、そういう場面から仕事を獲得することも多くなりました。私自身、このあいだmokuriで出会ったイラストレーターさんにその場で仕事依頼しました。

あとは、じぶんのサイト、ポートフォリオ、LP、代表作などをつくっておけば、それ自体が自走的に営業してくれることもあります。デザイナーの友人はヴィレッジヴァンガードに代表商品を置いてもらって、目を引く作品に営業してもらって、案件獲得につなげていますね。

私自身が発注側にまわったときは、デザフェスでデザイナーさんを探して、ツイッターとnoteでライターさんを探すようにしています。いわずもがな、SNSもやりたいですね。

挙手・フットワーク

それ以外では、挙手によって仕事を獲得することもあります。図々しく、と言うとネガティブに響きますが、どんなに優秀なメンターでも「やります」というモチベーションを他人に教えることはできません。熱意のあるひとが重宝されるのは、熱意というものが伝授不可能なスーパーレアスキルだからです。

もちろん「やります」だけが熱意だとは思いませんが、モチベーションのわかりやすい表現のかたちとして「やります」というのは武器だなと思います。

もうひとつの表現として、フットワークがあります。「やります」に合わせれば、こちらは「行きます」ですね。『雨ニモマケズ』で宮沢賢治が大事にしていた「行って」という物理的で否定できない人間的な部分です。

東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ

出不精には出不精のやりかたがありますが、もし外に出て人間と接することにそこまで違和感がないのであれば、「行く」「会う」は貴重なスキルになります。(これからどんどんオンラインで済むようになるので、さらに重要なスキルになると思います)

惜しみない情報提供

終盤で「与信」の話をしますが、「物理的で否定できない(かぎりなく信用せざるを得ない)」要素として、情報を出し惜しみしないというのがあります。

とくに経営者クラスのひとと話をしていると、絶対に言っちゃいけないこと以外はどんどん言っちゃってるんですよね。明らかに競合している分野のひとにも、惜しげもなく情報を出していって、そのアクションをポジティブな方向に持っていく腕力・怪力があります。

そういったスタイルを模倣して、じぶんが情報を出せるシーンであれば、言っちゃいけないこと以外どんどん開示するようにしています。いまのところすごく感触がよいです。

目的物

話がビジネスの方向に行ったので戻しますが、目的物をつくるときに大事なのは、けっきょくクライアントさんが「なにがほしいのか」がわかっている場合と、よくわかっていない場合でモードを切り替えることだと思います。

たとえば、デザインの仕事で「ここの文字を大きくしてほしい」と言われたとします。これがかなり厄介な指示です。

それでほんとうに文字を大きくして仕事になる場合、それはおそらくよっぽどその作業に責任や専門性があるときです(印刷系だとミスれないのでよくあります)。一方で、ほとんどの場合は「文字を大きくすることによって成し遂げたかったこと」が伏在しています。

デザイン業務だったら「その文字を目立たせたい(→その名前を認識してほしい)」といった目的が先にあるでしょう。ほかにも「目が遠いひとのためのユーザビリティ」というときもあるし、単純に「トンマナの合致」というときもあります。なんにせよ表面的な指示には奥行きがあります。

しかしながら、仕事は伝言ゲームのように伝わってくることが多く(しかもディレクション工数を節約したい企業がおおいので)、責任者が「今回は心機一転だからまずはタイトルをバンと出して、名前を印象づけたい。そのうえで世界観とかいままでとは違うなというわくわく感を演出したい」と考えていたのに、発注担当者は「タイトルを大きくして、いままでとは違う感じで」と意識しているだけ、なんてことはよくあります。

「心機一転で名前の印象づけ、かつ他の情報も出して、いままでにはないものが出たとポジティブに感じてもらう」場合と、単に「タイトルを大きくして既存との差を出す」場合とでは、提出する設計のすべてが根底から変わりますよね。あと、もらうべき料金も当然変わります。

目的不明のクライアント対応

しかしです、この「場合分け」を詰めるかどうかの半分はフリーランサーに無言で任せられています(ほんとうは発注側が詰めておくべきでしょうけれど、現実は杜撰な伝言ゲームなのでむずかしいのです)。クライアントに勝ってほしいのか、報酬が見合わっているのか、じぶんのポートフォリオとして意味があるのかなどにもよると思いますが……そういう場面にも出くわすでしょう。

もっともシンプルなやりかたとして「けっきょく何が目的なんですか?」と詰めていけばいいのですが、実はクライアントもよくわかっていない、というシーンも稀によくあるので、やりすぎるとただただ険悪になります。

そこを解消してあげるのは、もはやコンサルティングの職能です。そこまでやるかやらないか、そもそもじぶんにできるのかできないか、というところの線引きも意外と重要です。外注できるものではないので、経験値がものを言うことも。なんにせよ、健全ではないディレクションのなかで仕事するのは苦痛なことがおおいです。

建設的ではない打ち合わせもある

そういう意味では、始まるまえからすでに終わっている仕事というのは来ません。どんな天才フリーランサーにとっても、仕事には必ず新しい要素があります。(これが楽しんですけどね)

「この前とおなじ感じで」というクライアントにも、社内・社外の変化はありますし、使っているツールも替えたかもしれませんし、ユーザだって目が肥えたり、消費者だってほしいものが変わったりします。それに応じて目的も微細に変わります。

おなじ、というのはどこまでほんとうのことなのか? おなじっておなじってことなのか? ここで立ち止まる必要は絶対にあるでしょう。ゆえに、どこがどうなっているのかできる範囲でリサーチして、じぶんなりに吸収して、学習して、その結果として目的物を提出することになります。

ただ、フリーランサーはエスパーではないので、ちゃんと「打ち合わせ」や「問い合わせ」をするのがいいでしょう。たとえそれが逆戻りしてしまうこと間違いなしの建設的ではない打ち合わせだったとしても、損切りというか、遡源できないほど行き過ぎてしまうまえに確認しておいたほうがいいです。

インクリメンタル/イテレーティブ

実際の提出として、目的物のつくりかたには大きく分けて「インクリメンタル incremental」と「イテレーティブ iterative」があります。

インクリメンタルというのは、徐々に完成に近づく方法です。さっさと取りかかれる反面、終盤まで完成形が見えないものです(リテイクがきついです)。

イテレーティブというのは、最初にラフの完成図をつくって、完成イメージを共有して、ゴーサインが出たら、あとはそれに近づけていく(実現していく)手法です。

それぞれ一長一短ですが、どちらもできると重宝します。最初の打ち合わせで「まず完成のラフとかつくっちゃいますね」とブラフをかけてみて、担当者の反応をみてみるのが親切(?)だと思います。

ラフからイメージできるタイプの腕利き担当者なら、そこにまとまった時間をかけてゴーサインを出して安心したいでしょう。逆に、(担当者が激務とか、制作者の実力が不明とかで)ラフが来たところでディレクションできない状況なら、スピーディにテスト版を出して、そこからテストのマスター、テストのマスターのマスターを重ねていく方法のほうがよいでしょう。

私の仕事のなかでは、校正・翻訳・整文・リライト・ポストエディットあたりが超弩級のインクリメンタルです。とはいえどれも中間の仕事なので、時間の取りすぎは全体のクオリティや予算に影響が出ます。なので、レギュレーションやガイドラインを固めにつくって、仕上がりの幅をカリッカリにチューニングするところが多いですね。会社によっては用字用語だけで数千項目ほどあるガイドラインをもっているところもざらですし、トンマナの要件も厳格に厳守すべきです。

小説の仕事は、私のなかでまだつくりかたが定まっていません。宮部みゆきさんはインクリメンタル的な手法で書きあげていると聞いたことがあります。新聞連載小説などは、ラフ完成図を固めつつも、読者の反応などを見つつ変容してゆくこともあるようですね。

のびしろ・最新情報

先ほど学習(ラーニング)ということばを出しましたが、学習とか成長というのはフリーランスのキーワードのようになっています。その一方で、のびしろがあったとしてものばさなくていいのも、フリーランスという世界観にある道理です。ここは何度でも強調したいです。

つまり、すでに持っているスキルなどを要件にあわせてたんたんと再生させるだけで、仕事にあぶれないフリーランスもいます。私の友人にもそういうひとがいて、詳しくは言えませんが、知財系の衝にあたるところで活躍しています。

「フリーランスなら学習して、のびしろをのばして、成長しなければならない」という一般論や王道とはぜんぜんべつの路線に入ることもあるでしょう。最新情報をキャッチアップしなければいけない路線に浸りきってしまって、その世界がフリーランスの世界のすべてだと思ってしまうと、「フリーランスには学習と成長がゼッタイ」と思ってしまうかもしれませんね。

とはいえですが、先端技術を知っているというだけでアドバンテージがとれるときもあります。いろいろなビジネスに関わってみると、現場のひとのほうが最新技術に疎い、という場面にもよく出くわします。眼前の激務にリソースをもっていかれて、新しいものをキャッチアップできていないというのがあるようです(私は最新情報を「二個飛ばし」までじぶんに許していますが、これでもギリギリだなと感じます)。

キャリア形成と設計

キャリアというのは自己表現のひとつです。表現というのはつまり、あらゆる可能性を捨てたうえでひとつの結論をそこにアウトプットしなければならないということです。なので、他人のキャリア形成やキャリア設計は参考にならない部分が多いなと感じます。先輩フリーランサーがたどった道を拝借することはできますが、捨てた可能性までは模倣できません。

でも肝心なのは、そっちの「捨てた可能性」のほうですよね。より詳細に言えば、捨てた可能性に対する追憶を振り払うように現在のポジションを表現しなければなりません。

私の場合は、「小説家の逢坂です」ではなくて、「野球選手になりたかった逢坂です」と言いたくなる気持ちを抑えることで、小説家としてのじぶんの輪郭というのが浮かび上がってきます。あのときなににならなかったのか、という状況的な決断の数々が、いまのじぶんの土台を支えています。

そして、その捨ててきたものを再表現しやすいのもフリーランスの世界観かもしれません。高校生のとき、バイト先のスーパーマーケットの店長から「君はエンジニアに向いているよ、なればいい」と言われたのに、世間知らずでそんな職業があることさえ知らず、調べる好奇心もなく、無視しつづけたことをあとあと後悔したことが、いまのキャリアで再表現できています。

じぶんのほしいサービスを友人といっしょに個人開発するようにまでなったし、いくつかIT系のメディアを裏ですこしばかり支えられているし、渋谷にあるIT企業と仕事することも増えました。

「エンジニアに向いていると言われて無視して後悔した小説家の私」にとって、小説家の先輩もエンジニアの先輩もたくさんいるけれど、そのひとたちが辿った軌跡だけを追いかけていても、私自身のキャリア形成(自己表現)というのはむずかしいなと思います。あきらめてきたものと、いまやっていることの共通点や差異が私のキャリアになっています。

デザイア・パスという指標(ゼロイチ)

攻めたいタイプのフリーランサーというのは、じぶんの通りたいところにデザイア・パス(desire path)を作ります。日本語だと「けもの道」ですが、英語のほうがわかりやすくていいですね。欲望の道。

私の場合ですと、「出版社」や「小説」という大昔に大先輩がつくってくれたパスがあります。いまや出版社などによってしっかり舗装されている非常にきれいな道です。

そのなかで新人作家になにができるかと考えたら、新しいデザイア・パスの分岐点をつくってみせることだな、と思いました。メイド喫茶と哲学、という未来の後輩が通ってくれるかもわからない、どこかの出版社が舗装してくれるかもわからない、ミステリアスなデザイア・パスをつくってみました。

ひとかどのフリーランサーとして、デザイア・パスをつくりたいのか、他人のデザイア・パスを舗装したいのか、すでに舗装された道を歩きたいのか、ここにもキャリア設計のヒントが隠されているような気がします。よく言うことばでは「ゼロイチ」というやつですね。

ワークライフバランス

その先で、じぶんはなにがしあわせなのか、という個人的な人生論に直面するかと思います。ただ、その答えを「天秤的なバランス」でもって成立させることは、とてもむずかしいのではないかと感じます。

天秤ではなく相互浸透、つまり「ワークはライフ、ライフはワーク」というかたちである程度は一本のものとして捉えなおす場面が出てくる、とひとまず言い切らせてください。

「私と仕事どっちが大事なのよ」において、どちらかだけを選択し、もう片方を殲滅させた先でしあわせになるには、よほどの天才的なマネジメントセンスがなければならないような感覚があります。「ワークとライフどっちが大事なのよ」においても、選択と殲滅はむずかしい。できるひとはできるのだろうけれど、優先順位をつけてしまったら、優先順位を管理しなければならなくなり、その管理に大事なリソースがもっていかれるんですよね。

わざわざ優先順位を管理するぐらいなら、私はワークを抱きしめたいし、ライフと人生をともにしたい。その両取りに道や先例がなくてやらない理由ばかり探すぐらいなら、私はデザイア・パスをつくりたい。

そういう意味で、なにが正しいとかではなく、フリーランスという世界においては労働観や人生観に合わせてプランをたてることもできるし、立てたプランから労働観や人生観を再構築することもできるし、すべてをつかむために独自路線を突っ切ることもできます。

家庭の方向性、DINKsも子持ちも

そういう意味では、DINKsでも子持ちでも、それぞれのキャリアプランを目指して取捨選択できる世界です。ただ、構造上、DINKsのほうが収入も仕事量もおおいです。

価格をつけることと与信すること(プライシングとコミットメント)

価格は数多くのフリーランサーが迷うところですが、スキルを売るのか、時間を売るのか、世界観を売るのか、ワークライフバランスを売るのかなどいろいろあると思います。

私が買う立場(発注側)になったときにも、いろいろ考えるんですよね。正直、単にスキルの売り切りを望むときは、相場の単価でよろしくおねがいするときもあります。なるべく三方良しの体裁は整えますが。

ただ、「あなたはすばらしいデザイナーだよ」というメッセージを伝えたいときは、そういう単価で提案させてもらったり、時給の場合は時給をハイレベルな相場に合わせたりすることはあります。

そのひとの理念や生き様を買うときは、一種のファンディングのような気分です。たとえば、そのひとのメッセージに「業界の体質を変えたいから」とあって、実際にやってくれそうなひとだったら、ぜひともという前向きな気持ちでお金を出したくなります。

よく「なんでもできますはダメ」「がんばりますだけじゃダメ」という話も聞こえてきますが、大事なのは与信です。信用というものをしたがらないひとを相手にしなければならないときは、それ用のやりかたで挑むしかないですし(具体的にはここでは書きません)、最初からフルコミットしてくれるひとには初手で裏切らないような準備があればよいと思っています。

「安物買いの銭失い」ではないけれど、価格自体が与信にも不信にもつながるときがあるし、価格を介してなにを伝えたいのか、なにを売りたいのか、仕事や成果物の番外にあるフリーランスの魅力だなと感じますね。

自己管理(にんげんといういきものの癖)

体調とかはもちろんのこと、にんげんといういきものの癖、じぶんという人物の傾向を理解しておくと困りごとが減ります。

たとえば、「セカンドシステム症候群」を知っていれば、不要につくりこみすぎてしまう癖を修正することができます。

あるいは「パーキンソンの法則」を知っていれば、仕事量をじぶんで増やしてしまっている状況にきづけるかもしれません。

ほかにも「第一種過誤と第二種過誤」を知っていれば、精査しているときのミスを減らせるかもしれません。

そういうにんげんの癖をインプットしておくことで、防げるもろもろもたくさんあるでしょう。

言語化

言語化は、あらゆるものの土台でもあります。どういう成果物をどのように納品してほしいのか、どういう条件の仕事をしたいのか、どういう制約があるのか、どういう狙いがあるのか、どうして選んでほしいのか、どうしてそうであるべきなのか、だれのためなのか、なににつながっているのか、足元の状況がどうであるのか、言語化した状態としていない状態ではいつも雲泥の差があります。

さらに、言語をうまく利用することで意味のムードをあやつることもできます。たとえば、「失うということは自由になること」と言い換えることによって、マイナスだったものがプラスに響くようになります。陽気であることは自己管理の面でかなり効果的なので、ことばから陽気を生み出していくスキルも大事です。

また、説明が仕事に含まれていることもしばしば。とくにデザイナーは半分ぐらいが説明だったりしますからね。

外国語

とくに英語ですが、基礎的なリサーチ能力、基礎的なプログラミング能力に英語が含まれます。便利なツールも日本語非対応がまだまだおおいです。日本語字幕のない学習動画、国内紙では報道されないニュースなども同様です。

デザイナーでも、見た目の都合で英語を飾ることがあると思います(「メニュー Menu」みたいに)。そのさいに定番の単語ならよいのですが、意外とニュアンスが大事な非定番のことばを英語にしなきゃいけないとき、自力だとむずかしくなってくることもあるでしょう。

リサーチの段階で、海外の教授に英語やフランス語でメールを送ることもあります。日本語では絶対に手に入らない情報、論文などを提供してもらえるのでありがたいことばかりです。海外のフリーランサーに外注するときにも、グーグル翻訳ではなくニュアンスまで詰めた英語が利くこともよくありますね。

学習方法は無限にありますが、個人的には題材がおもしろくてスクリプトのあるTEDがおすすめです。

ビジュアル化

ビジュアルやグラフィックにできるとぜんぜんちがうそうです。清水淳子さんが抜群に詳しいです。

ルックス・若さ

よくもわるくも、ルッキズムやエイジズムが通用しているところはまだまだあります。じぶんの信条に反しない程度に、使えるものは使ってもいいかもしれません。

運勢

経営者のかたと話していると、運勢とかツキとかを気にしているひとがすごくたくさんいます。

私もとりあえず水星の逆行ぐらいは気にするようにしています。

学歴

なぜか学歴を見られることもあるので、あるに越したことはないかもしれません。(私はないです)

さいごに

フリーランスは、収入が上がるとか、自由時間が増えるとか、人脈が広がるとか、出勤がなくなるとか、仕事が認められるとか、スキルが磨けるとか、いろいろあると思うし、そのどれもがそうであるなかで、そのすべてをグラデーションにできることが最高だな、と私自身は思います。

デザイア・パスをつくるのも素敵な仕事だし、その道をみんなが通りやすいように舗装するのも素晴らしい仕事です。

全部を肯定したくなるし、全部を肯定できるのがフリーランスの世界観なんですね。綺麗事に思えるかもしれないけれど、ほんとうに、じぶんにとってちょうどいいグラデーションが(探せば)見つかるんです。

私自身も小説だけではなくいろいろやっているので、一緒に仕事してくれるかたがいたら、ぜひご連絡ください。

逢坂

Written by Aisaka, Chihiro
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