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結果発表「第1回 ラゴン・ショートエッセー杯」

こんにちは、「Lagon Journal」オーガナイザーのあいさかです。

年末年始にいきなり企画した「ショートエッセー杯」ですが、突然のことにもかかわらず26投稿いただけました。ありがとうございます。投稿作品はどれもしっかり「エッセー」で、たのしく読ませていただきました。

受賞者にはこれからご連絡差し上げております。お手すきでご確認くださいませ。

入賞できなかったかたのなかにも、タイトルが抜群におもしろかったり、原稿のつくりこみが美しかったり、テーマ選びが輝いていたりしていた作品がありました。私の不手際で総合得点の賞しか準備していなかったのですが、次回は項目ごとの賞も用意いたしますので、また参加していただけるとうれしいです。

生活に密接している社会的現象を書く際の事前注意が不足した(「独自性」の項目について)

また、時節柄、感染症と生活を関連させたエッセーが割合おおくなりました。それ自体は問題ではないのですが、内容が類似的になってしまうと「独自性」という項目を掲げている以上、こちらの得点で有利になることはありませんでした。開催時に私のほうで想像できたことだったので、注意喚起をすべきだったと反省しました。

事後報告:スコア計算の下方修正、受賞者増加

スコアは、事前にお伝えしておりました13項目で付けて、92%以上を佳作とするとしていました。ただ、あまりに難度が高すぎた項目(「原稿のつくりこみ」や「表記の思想」)もありました。こちらについてはそのまま計算に組み込むと企画潰しとなるため、今回は応急的に「任意項目(自由加点項目)」として減点的に使用しないことにしました。

再度計算をいたしまして、「92%以上」から「90%以上」にハードルを下げ、最終的な佳作と大賞を選びました。

かいつまんで言えば、壊れ系の項目を加点にのみ利用、受賞条件を2%下方修正したということです。その結果、受賞者は5人から7人に増えました。

次回の開催に向けて

次回は3〜4月あたりを目処に「ショートエッセー・スプリングカップ」を開催します。

変更点としては、(1)評価項目に「特別点」を追加してハードな項目を移行、(2)総合点数で勝てなくても各項目で輝いていた場合に入賞できる「項目特別賞」の新設。(3)社会的な出来事をテーマにする際の注意を事前にする。上記の三点を考えております。

セルフコマーシャル

ラゴングラネが昨年たちあげた版元「ラゴンリーブル」では商業出版に近いかたちでエッセー集をつくる予定です。第一弾は「思い出のイキリ」がテーマで、幼いころの幼いながらのこだわりについて書いていただいております。本づくりの意気込みや印税の分配方法などの詳細もあります。こちらもチェックよろしくお願いいたします。

▶︎『思い出のイキリ』募集要項に飛ぶ

それではお待たせいたしました。大賞受賞作品、佳作受賞作品の発表です。



大賞受賞作品:ぱりんこ『心細さを溶かす、雪の日のランプ』

「第1回 ラゴン・ショートエッセー杯」の大賞作品は、ぱりんこさんの『心細さを溶かす、雪の日のランプ』です。

むずかしすぎて自由項目に切り替えた「表記の思想」や「原稿のつくりこみ」でも比較的高めの点数になり、ほぼすべての項目でよいスコアになりました。

早くみなさんにも読んでいただきたいのですが、とくに、大雪のハレのなかの心細さをじぶんなりにしっかり捉えて、その心理的な背景を外の世界とのコミュニケーションのなかにうまく書き込んでいる点がすばらしいと思いました。

寒くて暗い、先の見えない雪道を、心細くさまよっている人が「わ、あのお店やってる」とホッと安心できるような、そんな文章をわたしは書いていきたいな。

引用したのは最後の段落のこのことばですが、ついつい「書けるようになりたいな」としてしまうところを、「書いていきたいな」としているところも非常によかったです。ぱりんこさんにとって生活の延長線上に「書く」ことがあって、それをおなじように生活のなかで「読む」ひとがいて、雪の日のランプのようなことばが届く。そしてそれが実現できている文章。このエッセーカップの文章としてこれ以上ない締めの表現なのではないかと思いました。

あらためて大賞おめでとうございます!

佳作受賞作品(6作品)

佳作は6作品となりました。入賞おめでとうございます!

・ナカノヒトリさん『いつか、お寿司ケーキで生まれてきたことをお祝いしよう』

最後の最後のあったかさ、これは私が人生でまだ感じたことのないほどあったかさで衝撃的でした。タイトルからことばの連結、展開、文章の端々に秀でた制作性を感じます。ナカノさんが書いたものをほかにも読みたい、と作家推しできるレベルのユニークな喜劇性でしたね。まちがいなく今回のカップでいちばん笑いました。

・大海明日香さん『君のパンツを詩にしたい』

歌集や詩集にしたいタイトルです。鋭利なタイトルに本文がついてくるかどうか心配でしたが、まったく心配無用でした。終盤に生活をすこし具体的に羅列するむずかしいところがあって、見事ぜんぶいいコースに投げ込まれました。「映画を見て泣けること」という日常的な生活要素もあれば、「雨が降るたび虹色に光る傘が欲しいなと思うこと」という大海さんの詩想を感じる生活要素もあってよかったです。

・橘春さん『これを僕らは夜明けと呼ぶ』

「夜明けやん!」でグイッと引き込まれました。ていねいなことば選び、次の文を読ませるためのピッチとストライド、終盤の夜明けの写真を撮ったところの繊細なカットのエモさ(と言っていいのかわかりませんがエモさ)、じぶんにもそんな経験があったような気になれる距離感の文章でめちゃくちゃよかったです。

・楊黒葉さん『生活をやめたくなったときには』

「生の彼岸に飛び出さないようセーブして、日々の生活を送らせてくれる宝物」について詳細な風景を書いてくださりました。好きです。一文ずつのセンスがいい、と評すると雑すぎる気もしますが、誠に蒸留された文章のよさがしっかり味として出ています。「ショートエッセー」の「ショート」とはなんであるかのひとつの回答にもなっている文章だと思います。

・nekondara『途中下車の生活』

まず読んですぐ、私の記事(『むずかしくてすごい「フラッと立ち寄る」ということ』)へのアンサー記事だとわかりました。以前に「継承的エッセーが好きだ」とツイッターで発言したのを見てくださったのかどうかまではわかりませんが、私は継承的な要素のあるエッセーが大好きです。それに加えて、思考回路の吐き出しかたが独特で、それを読めるエッセーとして底支えする文体や可読性のキープは高い文章力だと思いました。

・麦谷那世『Religion & Life』

名詞ベースな文体で、ことばの置き場所を丹念に探しているように感じられて、ここまで端正な文章を続々と書けることの文才に圧倒されました。モルモン教の掟を軸にしばし揺れる人間関係と心理、それを受け入れていく麦谷さんの温度感、「そんな立場で書店のレジに立っていたのか……!」という大文字も大文字の大ツッコミが完璧にキマって芸術的でした。

大賞・佳作の公開準備、第二回の開催に向けて運営してまいります。次回もよろしくお願いいたします!

あいさか

Written by Stagehand
Copyright LagonGlaner and Author

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