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まぁ、いっかと受け入れられなくても 〜ちゃんとしないことが誰かを安心させる〜

「あーめんどくせー、もう、やだやだ、疲れた、寝る。風呂も入ってないし、歯も磨いてないし、でも、しんどいもん。寝る。もう、今日はダメだ」

風呂にも入らず、歯も磨かず、そのまま寝てしまうことがある。いわゆる寝落ちってやつだ。

ひどい時なんか、電気も消していない。テレビも消していない。食べたものだってその辺に散らかりっぱなし。このうえなく、ダラしない。そんなことはわかっている。けど、ついやってしまう。そんな夜がある。

次の日起きると、後悔の連続。

「あー風呂入ってない、歯も磨いてない。おいおい、電気も消してねーじゃねーか、テレビもついてるじゃねーか、食べたもんも片付けてねーのか、おいおいおい、最悪じゃねーか、昨日の俺、なにしてんだよ」

やっちまった。そんな感じ。

大学生ぐらいの時はそんなこと別に気にしていなかった。「まぁ、いっか」と思っていた。

でも、もう30歳。「まぁいっか」と割り切れなくなっている。いい大人が何やってんだよ! と自分を責めてしまう。ちゃんとしなきゃとどこかで思っているのだろう。

子供の頃に想像していた30歳はもっとちゃんとした大人だった気がする。大きな会社に勤めていて、結婚もしていて、子供もいて、家も持っている。でもいまのぼくは、フリーランスで、独身で、子供もいなくて、家も持ってない。それがちゃんとした大人ではないとは思わないけれど、自分が思っていた30歳のイメージとは全然違う。

20代が終わるタイミングで、「30歳の抱負は?」と聞かれたけれど、これだ! というものが思い浮かばなかった。これも「まぁ、いっか」で済んだ大学時代とは違い、ちゃんとしなきゃと思ってしまう。決めなければならないと思ってしまう。決まらずに悩む自分に対して、だんだんと嫌気が差してくる。30歳にもなって抱負も思い浮かびやしない。どうしたもんかな。

なんで自分はこんななんだろう? もっと熱意を持って生きたいのに、人生をかけてこれだけは絶対にやるなんてものがぼくにはない。そんなことをグルグル考えて、仕事もロクに手がつかず、夜になってしまう。なんとなく体がダルい。まぶたも重い。何をするにもめんどくさいという感情がまとわりつく。

疲れた。今日はダメだ。このまま寝ちゃおう。そうやって寝た次の日の朝に、また思う。

やっちまった。

30歳にもなって、やっちまった朝をたびたび迎えてしまう。それを「まぁ、いっか」と受け入れることもできずに、さらにやっちまった朝を重ねる。そこだけ見れば、ちゃんとした大人とはとても言えない。

それでもぼくにだってちゃんとしてる部分はきっとある。ちゃんとご飯を食べているし、ちゃんと仕事もしているし、ちゃんと寝る日だってある。そこだけ見ればちゃんとした大人だ。

人は誰しもちゃんとした部分とちゃんとしていない部分を持ち合わせているものなのかもしれない。ちゃんとしていると思える人は、ちゃんとしていない部分をうまく隠しているだけだ。

自分がそうだからだと思うのだが、人がちゃんとしていない部分を見せてくれると、ぼくは安心する。この人にもちゃんとしていない部分があるのか! とむしろ嬉しいぐらい。ちゃんとしてるように見えて、ちゃんとしていない部分がある大人は素敵だ。

こうしてちゃんとしていないところをわざわざ文章にして発表しているのも、誰かに安心してもらいたいからかもしれない。30歳のぼくはこんなにもちゃんとしていない部分がありますよと文章で伝える。そのことで、自分のことをちゃんとしていないって思ってる人が一人でも安心してくれたらいい。

「こんな大人でもいいのか」

そう誰かが思ってくれたら、ぼくは嬉しいのかもしれない。

そんなことを考えていたら、また眠くなってきた。まただ。色々とめんどくさい。お風呂も歯磨きも電気を消すのもテレビを消すのも。ふっと目を瞑る。そして、そのまま寝てしまった。

朝、起きる。何度も何度も何度も経験してる朝だ。いつもと同じように思う。

やっちまった。

でもこんな自分でもいいんだ。

「まぁ、いっか」と受け入れることはやっぱりできないけれど。やっちまったと後悔してるのに、繰り返しちゃう、ちゃんとしていない大人だけど。

そのことで誰かを安心させることもきっとある。

Written by Sato, Jumpei
Copyright LagonGlaner and Author

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