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疲れたOLの脳内にコジコジが住み始めた話

実は最近、私の脳内にコジコジが住みはじめた。

コジコジとは、さくらももこによって生み出されたキャラクターである。ソニー・マガジンズで漫画が連載され、のちにアニメにもなった。

コジコジはメルヘンの国に住んでおり、そこの住人たちとともに自由気ままに暮らしている。

公式サイトによると

『動物なのか人なのか?男なのか女なのか?地球上の生き物なのか宇宙から来たのか? ……コジコジには何の肩書きもありません。いわば”存在”のみの根源的なキャラクターです。無為自然に生きる。』

という設定らしい。さくらももこ版フォレスト・ガンプだ!みたいなことまで書かれている。

さくらももこ劇場 コジコジ
http://cojicoji.site/about.html

そんなコジコジを脳内に誘致したそもそものきっかけは、友人にコジコジを読んで得られる福利厚生を語られたことだった。

その友人とは大学からの付き合いで、就職してからもOL仲間として時折会っては近況を語り、仕事の愚痴をこぼし、好きなものやハマっているものの話に花を咲かせた。

その日もいつものように仕事でお互い疲弊している話題からスタートさせたのだが、友人が急にこんなことを言い出した。

「最近コジコジにどハマりして、結構デカめのぬいぐるみ買っちゃった」

 私はぬいぐるみも好きなので、「お〜、いいじゃん」といった反応をしたのだが、どうやら反応すべくはぬいぐるみのほうではなくコジコジだったようで、「コジコジわかる!!?」と食い気味に言われてしまった。

コジコジは私もわかる。

小さい頃アニメでやっていた記憶があるし、昨今はコジコジの放つ哲学的セリフが話題になっていた。

友人もどうやらその哲学的部分と愛くるしいビジュアルにやられたようである。

「日々の理不尽に振り回されている社会人には、色々心に沁みて結果的にストレス減るので是非とも読んでほしい!」

と、ストレスを溜めやすい私に絶対刺さるようなPRをしてきたので読んでみることにしたのだ。

コジコジはいわゆるおばかさんで、突拍子もないことを言い放ち周りのみんなを困らせがちだが、ふわふわ浮かびながらゆるく無駄なく生きており、素直で友達想いで、嘘がない。

社会人になってから、色々厄介だ。通勤は毎朝満員電車だし、安全地帯に居たはずでも上の意向で突如面倒事に巻き込まれたりするし、他人の考えを汲み取らなきゃいけない場面もあるし、自分を偽らなければいけない時もあるし、早く帰りたいからめちゃくちゃ真面目に仕事終わらせて定時で帰ると暇だと思われて仕事増やされるし…。

中学の時の担任が「損得無しで付き合える人間関係は学生のうちだけ」と言っていたけど今ならその気持ちがわかる。担任も色々苦労してたんだな。

そんな現実とは違い一見平和に思えるメルヘンの国にも実はいろんなキャラクターが居る。容姿に劣等感がある子、自分のことをネガティブに言われていることを聞いてしまい自信をなくした子、自分の着ている服が恥ずかしい子…。それぞれが何かしら抱えている。

そんなとき、コジコジはまっすぐな目で本当のことを口にする。すると周りのみんなもコジコジに同調し、コジコジよりも優しく気の利いた言葉を投げかけるので悩んでいる子は救われた気持ちになる。

コジコジは基本ギャグ漫画なので、説教くさくない。コジコジの一言で救われるというよりかは、ただきっかけを与えているだけだったりする。むしろコジコジの言ったことに感化された周りのみんながファインプレー。ただ、コジコジにももちろん感謝する。みーんなやさしい世界なのである!

悪者もいるが、悪一辺倒ではなく気づいたらみんなと一緒に汗流しちゃったりしてるし、ちょっと不憫だし、権力を振りかざし忖度を促す池井戸潤キャラクターみたいな現実に居たら厄介な極悪ではないので、私は結構好きだ。ナゾ怪人スージーという悪者キャラのとある設定を読んでしまったときにはもう愛おしくてたまらなかった。

そんなコジコジの世界観に、疲れたOLはどっぷりはまってしまった。登場キャラクターのビジュアルもいちいちかわいくって癒される。こりゃあいい漫画だ! …と思って読み進めているうちにいつの間にか寝てしまった。

お昼ごはん後に暖房をつけ布団に入り、目に悪いとは知りつついつでも寝られる体勢で漫画を読んでいたのが原因だ。そりゃそうだ。

2時間くらいして目を覚まし、寝ぼけながらも「あ〜、コジコジ読んでるうちに寝ちゃったんだな」と頭で理解した。そして同時に「コジコジも好きな時に好きなだけ寝るのが一番大事って言ってたし!」と思い直し再び寝た。

しかし、あとから読み直してもそんなセリフ、コジコジは一言も発していなかった。

そんなことがあって以来、脳内で度々コジコジが「おせっかいでもいいじゃん、教えてあげたんだから」とか「正直なのはいいことだよ」みたいなセリフを投げかけてくるようになった。コジコジのことを頭の片隅で考えながら何かをしていたからだと思うのだが、私はどうやらコジコジが言いそうなセリフを考えるのが得意らしい。だんだん仕事をしていても脳内コジコジを生み出せるようになってきた。

よく脳内にりゅうちぇるを住まわせたり、IKKOを住まわせたりして自分を励ましポジティブにさせてくれるというライフハックがあるが、私の脳内りゅうちぇるは語彙が乏しく「やば〜い」しか言わなかった。りゅうちぇるは人間的に立派なのは言動を通してわかるが、私ではりゅうちぇるの生き方、考え方を想像しきれなかった。

しかしコジコジは基本「自由に生きられるならこうしていたであろう自分」なので親和性がある。しかも公式設定では、コジコジは別に良い事も悪い事もしないらしい。えっ、それって私じゃん。だからすぐ生み出せるのか。空想上の生き物なので、実際のりゅうちぇるはこんなこと言わないかもしれない…といった実在の人物に関する憂慮もいらない。

今日もコジコジは面倒な社会人生活をこなす私の脳内で素直にほんとうのことを言ってはふわふわ飛んでいく。ストレスも溜まるが、自分なりのかわし方を覚えた感じだ。ありがとうコジコジ。明日も私の代わりに上層部に物申してこてんぱんにしてくれ。

この話を友人にしたら、「コジコジが上層部に物申してこてんぱんにするのはちょっと使い方違くない?」と言われた。

Written by Tsukimi Hirai
Copyright LagonGlaner and Author

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